第7回トークイベント「横浜の商店街の未来展望」イベントレポート

商店街へいらっしゃい!トークイベント

第7回 横浜の商店街の未来展望 イベントレポート


11月12日に、商店街をテーマにした第7回目のトークイベントを開催しました。

当日のイベントの様子についてレポートいたします!


本イベントは、横浜市経済局からの委託を受けている「商店街空き店舗コンサルティング事業」の一環で、商店街にゆかりのある方から、ご自身の取り組みやビジョンについて楽しくじっくり語って頂くトークショー形式のオンラインイベントです。



今回もイベントの冒頭にて、横浜市経済局商業振興課の松永さんよりご挨拶を頂き、7つの対象商店街の概要と、空き店舗コンサルティング事業で、この春から行ってきた様々な活動について、ダイジェスト動画を見つつ振り返りを行いました。


第7回のテーマは、カルチャースタディーズ研究所主宰・社会システム研究者の三浦展さんをお招きして「横浜の商店街の未来展望(商店街のアップデート)」についてお話して頂きました。



三浦展さんは、ベストセラー「下流社会」をはじめ、「第四の消費」「ファスト風土化する日本」といった沢山の著書や講演会を通じて、現在の日本のライフスタイルの変化や、都市部のカルチャーについて、世の中に発信し続けています。


これまでは、商店街でお店を営む方や、まちづくりの当事者の方を中心にゲストに迎えていましたが、今回はさまざまなエリアを横断的に、またコロナなどを含む社会構造の変化を、より俯瞰した視点から捉え、今後どのような街に人が集まり行くのかを考えるのがねらいです。



そんな大きなテーマのレクチャーですが、都心や駅前の元々多数の人が集まる場所の商圏および就労拠点の集中の時代から、郊外において拠点が多数に分散する時代となっていくことを中心にお話が展開されました。


そのキーワードとなる言葉が「クリエイティブ・サバ―ブ」です。こちらは、2020年に発売された三浦展さんの新しい著書である「首都圏大予測」にて登場する造語です。

簡単にいうと、ファミリー、特に若い女性に選ばれる街であることが、今後発展していく上で非常に重要であるという考えのもと、働いてる若い女性が住んでいる連続したエリアを差します。



企業が集積する東京都心が、働いている女性が多いことはもちろんですが、神奈川県の横浜沿岸部から南武線沿い、中央線沿いの多摩地区、埼玉県南部にかけてのエリアは、住むだけの単一の機能に留まらず、ワーカブル(働きやすい)で、かつ夜の娯楽なども充実していることが分かります。逆にベッドタウンや郊外の大規模団地で、働いている若い女性が少ないエリアは、統計的にも人口減少に転じていおり、子どもが少なく高齢者が多い傾向にあります。


特に、コロナによって東京都心に通勤する優先度が以前よりも低くなる中で、そのエリアの中でどのような暮らし方ができるのかが重要になっていると、この著書とレクチャーの中で指摘します。



その後、実際の街の様子として、大きな商業施設だけでなく、住民目線の個人商店、スナックなど様々な小さいまちづくり事例などをご紹介頂きました。


商店街の魅力の重要な要素である、コミュニケーションの場をベッドタウンなどの中にもいかに設けるのか、ヒントがたくさんあります。また、これらの取り組みによって、エリアの価値が劇的に変わるわけではない、としながらも、やはり人と人が関わり合う機会があるかどうかが、今後も選ばれる街には必要不可欠なようです。


三浦展さんからのレクチャー後は、マスマスの治田とハマの商店街宣伝部長と荒井、また参加者からそれぞれ質問を受け、さらに議論を深める時間としました。さらに、今回はイベント本番後にお酒を交えながらの「話足りない会」も久しぶりに実施をし、横浜の商店街に留まらず、海外の郊外のライフスタイルなど、幅広い視点でのお話が活発に行われました。



全7回のトークイベント、いかがでしたでしょうか。直接ご参加頂けなかった方も、これまで動画とダイジェストレポートを通じて、学びを深めて頂けたらと思います。

商店街空き店舗コンサルティング事業は、2021年3月まで続きますので、引き続き他のコンテンツなどもチェックしてみてください!