第6回トークイベント「宿場×商店街で、もっと素敵で住みよい地域をつくる」イベントレポート

商店街へいらっしゃい!トークイベント

第6回 これからの暮らしと商店街 イベントレポート


10月8日に、「商店街での起業」をテーマにした第6回目のトークイベントを開催しました。当日のイベントの様子についてレポートいたします!


本イベントは、横浜市経済局からの委託を受けている「商店街空き店舗コンサルティング事業」の一環で、商店街にゆかりのある方から、ご自身の取り組みやビジョンについて楽しくじっくり語って頂くトークショー形式のオンラインイベントです。




イベントの冒頭では、横浜市経済局商業振興課の松永さんよりご挨拶を頂き、続いて7つの対象商店街の概要と、空き店舗コンサルティング事業の施策について説明を行いました。


第6回のテーマは、「宿場×商店街で、もっと素敵で住みよい地域をつくる」です。北品川の株式会社しながわ街づくり計画の代表で、リノベーションによる旅をテーマにしたブックカフェ「KAIDO CAFE」などエリア再生を手掛ける佐藤亮太さんをお迎えして、品川の宿場エリアのまちづくりについて、お話し頂きました。




佐藤さんは、品川生まれで3児の父。浅草で人力車をひく仕事からはじめ、リクルートで営業に携わるなど異色の経歴をもっておられます。ご自身が育ったまちが少しずつ賑わいを失っていくことに危機感を覚え、品川宿の歴史や文化にフォーカスして、地元の魅力を知ってもらえるお手伝いがしたいという思いから独立を果たしました。何をしたらよいか分からない中で、人力車の仕事をしていた経験を活かして、品川人力車という事業からスタートしました。




そんな北品川の商店街はというと、かねてより品川宿のまちのアイデンティを残したまちづくりに力を入れており、風情ある石畳や、戦前の佇まいの建物が調和した、歩いていて楽しい通りとなっています。お店も庶民的な八百屋さんから、ちょっとお洒落な料理店まで粒ぞろいです。巨大ターミナル品川駅をはじめ、都心に近い立地にも関わらず、こうした個性ある商店街が長く続いているのは、そこで商売をしている方々の努力の賜物と言えるでしょう。


しかし、こうした商店街あげてのまちづくりや、佐藤さんが懸命にプロモーションを進める中でも、閉店していくお店は後を絶たず、それならば自分で店を開いてしまおうということで、5年前に誕生したのが「KAIDO CAFE」です。かつて旅人が行き交った宿場町。旅をテーマとした本を集めたブックカフェとし、空き店舗になった1階と2階のスペースをリノベーションして、お店をオープンいたしました。




「KAIDO CAFE」は多数のメディアからも取材を受け、地元の人や、ブックカフェが好きな人まで様々なお客さんが集まるようになりました。また単純なカフェ営業だけではなく、壁をつかったギャラリーや、ロケ撮影、イベント誘致など、多角的に展開することで、事業に厚みをもたせてきました。

佐藤さんからの説明が終わったあとは、マスマスの治田とハマの商店街宣伝部長と荒井を交えてのクロストークを行いました。



参加者からも質問を頂き、どのようにSNSを活用しているのか、お店のコンセプトはどのように考えたのか、など具体的なトピックについて、さらに佐藤さんからお話を伺いました。

また、「品川まちづくり計画」で大事にしていることの中で、「自分たちのまちに誇りをもつ」というお話を頂きました。「住みたくなる街・住み続けたくなる街」というフレーズも、これまでトークイベントに登壇したゲストの方々と共通しており、自分たちの暮らしを自分たちで豊かにしていく、その最小の単位が店であり、その思いをもつ共同体が商店街であるということを再認識できる、大変よい学びの会となりました。



第7回目のトークイベントは、カルチャースタディーズ研究所主宰・社会システム研究者の三浦展さんをお招きして「横浜の商店街の未来展望」についてお話して頂きます。次回がトークイベントとしては最後になりますのでお楽しみに!